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9月, 2019の投稿を表示しています

『抱擁(ほうよう)』-詩

「大丈夫 もう心配しなくていいよ」
そう言って 抱きしめてくれた。

それだけなのに。
ただ それだけなのに。

閉じ込めていた 心の痛みが
流れていった。

忘れない。
この肌の温もり。

※抱擁(ほうよう)=親愛の情をもって抱きかかえる事。抱きしめて愛撫する事。

『不安』-詩

それを 聞いても
意味のない事は わかってる。
それを 訊ねても
答えのない事も わかってる。

だけど 目に見えないもの
手に触れられないものに
どうしようもなく 不安になる。

だから 確かめるの。
「私の事が好き」って。

『鰯雲(いわしぐも)』-詩

手を伸ばせば 届きそうな
青い空に 真っ白な鰯雲。

頬をなでる 一陣の風が
新たな始まりを告げる。

強く激しく 求めあった
夏の余韻を残して。

※鰯雲(いわしぐも)=白雲が魚のうろこのように群がり広がっている巻積雲の事。夏から秋にかけて見られ、この雲が現れるとイワシの大漁があると言われています。

『自分という存在』-詩

本当の自分。
偽りの自分。
誰もそれを 教えてはくれない。

だから 人は旅をする。
まっさらなもの 純粋なものを
探し求めて 人は旅をする。

巡りゆく季節が 教えてくれる
自分という存在。

『浮舟(うきふね)』-詩

あなたを 見てるだけで良かった。
あなたと 友達のままで良かった。

でも 少しずつ ほんの少しずつ
二人を乗せたボートは
動き始めていたんだね。

もう 戻れない?
もう 引き返せない?

いいえ 帰りたくない。
このまま ずっと。

※浮舟(うきふね)=水に漂っている舟。不安定で頼りない状態の事。

『月下美人(げっかびじん)』-詩

祭りの終わった暗闇に
ほんのり光る君を見た。
白く白く透き通った羽衣が
夜風にさらさら揺れる。

手の届かない憧れ。
夏の一夜限りに咲く 月下美人に
僕は ただただ立ち竦む。

※月下美人(げっかびじん)=サボテン科の多年草で、夏の夜の一晩しか花を咲かせない事で有名です。

『君の顔』-詩

自分を隠す事なんてないよ。
君の笑った顔。
君の泣いた顔。
君の拗ねた顔。
どれも君の顔なんだから。

そう どれも僕の大好きな
君の顔なんだから。

『風の音』-詩

炎天下の夕刻。
僕は 時折 風の音を聞くんだ。

君の髪を かすかに揺らす
澄んだ 風の音を。

重なりあう 枝葉の隙間から
こぼれ落ちた 光の粒子が
君の隣で リンと 小さな音をたてた。

『高校球児』-詩

ひたすら 白球を追いかけていた
彼の夏は終わった。

だけど 何度も踏みしめた
グラウンドには 道ができた。
それは 未来へと続く道。

いつか 大人になった時
後ろを 振り返ってみよう。

そこには きっと素敵な花が
咲き誇っているはずだから。

『時代』-詩

昭和という時代。
人々は 貧しいながらも
沈みゆく太陽に
明日の希望を見ていた。

今という時代。
望めば 何でも手に入る世界に
生きている君は
今日の夕陽に 何が見えましたか。

『お盆』-詩

母は よく言っていた。
お盆にはね ご先祖さまが帰ってくるの。
だから お仏壇は綺麗にしなくちゃダメなのよ。

鼻歌交じりに お仏壇を磨いていた母。
今 私は鼻歌交じりに
母の眠るお仏壇を磨いている。

『奇跡』-詩

今 僕が ここに生きている
奇跡にありがとう。

今 君が そこに生きている
奇跡にありがとう。

そして今 君と僕が この地球(ほし)で
めぐり逢えた 奇跡にありがとう。

『君は美しい』-詩

最後まで 決して諦めなかった君。
胸を振るわせ 夢を追い続けた君。

時には 道に迷い
時には 悩み苦しみ
泥んこになっても
今日を 命いっぱい生きた君。

そんな君は 美しい。
この世で一番 美しい。